バブル絶頂期の1989年に誕生したNew Sportscar eXperienceを謳うホンダNSXは、本田技研工業が生産した究極の国産スポーツカーだったのです。新車販売価格900万円超と当時としては高額でしたが、しかし、ホンダNSXは名車フェラーリ・328をも凌ぐ垂涎の高性能スポーツクーペであったことは今もって確かなことです。

2005年に生産終了となったホンダNSXは、2016年に燃費改良や排ガス環境規制クリアを達成し、新型ホンダNSXとしてさらなる進化を遂げて生まれ変わりました。

今回は「聖なるものの革命」、つまり甦った新型ホンダNSXについて、その性能,環境対策,燃費,安全性などについて解説します。

新型ホンダNSXとは?

新型ホンダNSXは、日本では2017年2月に、米国ではHonda NSX (Acura NSX)として2016年6月に販売が開始されました。新型ホンダNSXは、ホンダ最高峰のスポーツクーペであって、国内でも追随を許さない高性能スーパースポーツカーと呼んで間違いないでしょう。

また、高性能であるばかりでなく4種類の走行モードを選択できるほか、先進の環境対策、安全センシングを装備し、燃費もこのスペックから考えられないほどに低減されています。国内メーカー希望小売価格は税込み2,370万円

高性能を誇る新型ホンダNSXのハイブリッドシステムを分析

新型のホンダNSXは、SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling All-Wheel Drive)を駆動方式としている。出力507 PSの3.5 L-ツインターボV型6気筒ガソリンエンジンを縦置きでミッドシップに搭載し、さらに、エンジンをアシストして後輪を駆動するダイレクトドライブモーター48 PSを1基、左右の前輪を独立して駆動することによるベクタリング機能が発揮できる37 PSのモーターユニット2基を装備しているため、ハイブリッドシステムの最高出力は581 PSを叩き出します。

このハイパワー・ハイブリッドシステムと相まって、ミッドシップ・リアドライブ(MR)方式や9速ウエットデュアルクラッチトラスミッションが高性能なパワートレインを構築し、4.5 L、V8フェラリ・458に優るとも劣らない走行が期待できます。さらに、車両重量を1,780 kgにまで絞り込んだことから、その最高速度は300 km/h以上となり、リミッターはナビ連動で解除されます。

新型ホンダNSXの走行モードを分析

ダイレクトドライブモーターによる強烈な出足と、ツインターボエンジンによるパワフルな加速を融合したSPORT HYBRID SH-AWD ハイブリッドシステムを全身に抱く新型ホンダNSXには4種類の走行モードが用意されています。

具体的には、
(1)走りと快適性を融和させたSPORT Mode
(2)ワインディングに最適なオン・ザ・レール感覚のSPORT+Mode
(3)ロケットスタートも可能なドライバーコントロールを優先したTRACK Mode
(4)アイドリングストップとEV走行を優先させたQUIET Mode

の4種類です。それぞれ、ブレーキフィール,サスペンションのセッティング,ステアリング操舵力の調節,駆動特性の制御などを自動制御することにより最適なModeが楽しめます。

新型ホンダNSXの安全性能を分析

(出典:HONDA NSX)

クルマの予防安全性能とは、衝突が避けられない場合などに自動でブレーキをかけるなどの先進安全技術のレベルを指しています。新型ホンダNSXには、パーキングセンサーシステムやタイヤ空気圧警報システムのほか、歩行者の頭部衝撃を低減するポップアップフードシステムや搭乗者を守るエアバッグ・サイドカーテンエアバッグ等を装備しているものの、残念ながら予防安全性能は十分ではありません。

衝突安全装備は上述のほか堅固なフレーム構造になっていますので問題はないのですが、衝突被害軽減に対する取り組みは不十分と考えられます。端的にいえば、自動ブレーキがありません。これは、ミリ波レーダーや赤外線レーダー、カメラ等のセンサーを設置する場所がないからでしょうが、スポーツモデルの形状に起因するものと考えられます。

新型ホンダNSXの燃費・環境性能を分析

新型ホンダNSXの燃費は、JC08モードで12.4 km/Lとされています。高級なスポーツカーに乗ろうとする方にとって燃費は頭にないだろうと思いますから、ハイブリッドモデルでこの数値を云々するのは意味がないことでしょう。

また、いわゆる燃費基準と排ガス基準50%低減レベルをクリアしていますから、環境にやさしいクルマであることに違いはありませんが、他の市販車に比べて優れているわけではありません。

まとめ

(出典:HONDA NSX)
新型ホンダNSX(Acura NSX)は、名だたるスポーツカーを凌駕するスーパースポーツカーであることは確かです。本田技研工業が技術の粋を結晶させたNSXの性能は外国車と比べても群を抜いています。安全センシングは今一つですけれど、高性能車を楽しむのであれば、最高出力581馬力の2シーターは、国内最高レベルのスポーツカーであることに間違いありません。ぜひ、その世界を味わいたいものです。